(第35回総会・大阪)
1 東京大気汚染公害裁判第一次判決から3年5ヶ月が経過し,第1次訴訟控訴審は9月28日結審が予定され.第2次~5次訴訟は年内結審が見込まれる,まさに大詰めの段階に至っている。
この3年余のたたかいの中で.法廷内外の状況は大きく動いている。
裁判では,とりわけ1970年代後半以降,自動車メーカー各社は,深刻な排ガス被害が発生することを十分に認識しながら,利益追求のためこぞって中小型トラックのディーゼル化・直噴化を推し進める経営戦略をとったこと,このディーゼル化・直噴化がなければPM排出量は現在の4分の1に低減されていたこと等が立証され,被告メーカーらの公害発生責任は誰の目にも明らかなものとなった。
他方,この3年間,全国的な行動として取り組まれたトヨタ総行動に見られるとおり,公害被害者の要求と労働者,国民の要求が結合して,トヨタの社会的責任を追及するたたかいが大きく広がっている。「環境」をセールスポイントにして全世界的に販売攻勢を強めようとしているトヨタにとって,国内では公害発生企業として加害責任を追及されていることは,大きな矛盾となっている。
また,公害被害者の救済を求めるたたかいも大きく前進し,川崎では全市を対象に成人を含む全年齢の喘息患者の医療費助成制度が実施されることとなった。このような動きは東京都にとっても,強力なインパクトとなっている。
2 我々はこのような新たな情勢をふまえて,自動車メーカーにも財源負担を求めたうえで,東京都において全都全年齢の医療費救済制度を実現するためのたたかいを一層強め,年内には制度実現をかちとるため奮闘する。
そして,完全勝利判決を獲得するとともに,一刻も早い全面解決をかちとるため,全力でたたかうことを表明して、決議とする。
2006(平成18)年3月18日
第35回全国公害弁護団連絡会議総会
第35回全国公害弁護団連絡会議総会