公害弁連総会案内
幹事長 弁護士 関島保雄
公害弁連第36回総会を3月21日に東京で「全国教育文化会館エデュカス東京」において開催する予定で準備を進めております。
今総会では「公害裁判の到達点と今後の課題」というテーマで議論を深めたいと考えております。
公害弁連は昭和47年に富山イタイイタイ病、熊本水俣病、新潟水俣病、四日市公害の4大公害裁判を闘う中から誕生し、今年で36回目の総会を迎えることになりました。
この間、公害弁連は大阪空港訴訟、東海道新幹線訴訟、大気汚染公害裁判等様々な公害被害者の救済と公害根絶のために裁判闘争で勝ち抜き多くの成果を上げてきました。
イタイイタイ裁判は1972年の完全勝利判決後の公害防止協定を加害企業と結び、発生源対策、患者救済、汚染土壌の復元に取り組まれ、ようやく完全にこれらの対策が達成されたということから解決終結への段階に入ったとのことであります。
一方水俣病は2004年の10月の最高裁判決により感覚障害だけの水俣病の救済を認めチッソだけでなく国と熊本県の賠償責任も認める画期的な判決が出て以来、水俣病公式確認50年を迎える時期に新たな水俣病の救済のための訴訟が始まっております。
また公害総行動の中核を担ってきた各地の大気汚染公害裁判は加害企業との間では和解解決をし、国との道路行政の裁判も東京大気裁判を除き、環境改善のための協議機関の設置などの解決をすすめてきております。
そして東京大気裁判も控訴審での結審と裁判所からの解決勧告を引き出し、東京都、国、自動車メーカーを含めた全面的解決を目指して現在最大の闘いをしている最中であります。
このように、公害の根絶と被害者の完全救済といっても様々な闘いの局面が予想され、公害弁連の今後の闘いについてこのような時期に「公害裁判の到達点と今後の課題」を議論することが必要ではないかと考えて、今年の総会のテーマとしました。是非多くの会員の皆様にご参加を頂き、議論が深まることを期待します。