基地騒音公害訴訟
被告国に被害者の救済と航空機騒音の根絶を求める決議
昨年(2002年)には、小松基地、横田基地及び厚木基地周辺における航空機騒音公害訴訟において、相次いで自衛隊機及び米軍機の飛行等が違法であるとして被告国に対し損害賠償を命ずる一審判決が宣告されました。米軍基地及び自衛隊基地における航空機騒音公害訴訟としては、1981年7月13日の横田基地公害訴訟第一審判決以来、昨年の厚木基地訴訟判決が実に18回日の損害賠償を命ずる判決です。しかも、昨年の3判決は、いずれも被告国自らが告示指定している95〜75WECPNLの全域に居住している原告に対し損害賠償が認められました。その損害賠償額も、すべての判決で過去の最高額が認められています。
一方、全国の75%の米軍基地が集中する沖縄県では、新嘉手納基地騒音訴訟に続いて、昨年10月29日、米軍普天間基地周辺の住民200名がヘリコプター等の騒音被害の差止等を求めて那覇地方裁判所沖縄支部に提訴しました。この提訴で、全国5カ所の基地周辺住民の18,300名余りが訴提起して騒音被害の救済を求めていることになります。これら原告住民のほかにも、これらの基地周辺には数十倍の住民が居住し、基地の航空機騒音に苦しんでいます。さらに、全国の基地周辺で騒音被害を被っている住民らは、数百万人に及んでいます。
それにもかかわらず、被告国は、小松・横田・厚木のいずれの一審判決についても控訴を行い、裁判の引き延ばしを画策し、住民らの損害賠償を少しでも減額させようと躍起になっています。また、被告国は、基地の機能を強化し、イラクとの戦争に突き進む米国に追従して、住民らの騒音被害を減少させるための努力を果たしていません。
被告国は直ちに控訴を取下げて、原告ら住民に対し損害賠償による被害救済を実施するとともに、効果の乏しい防音工事等の対策だけでなく、夜間早朝飛行の中止、音源対策、基地の縮小、さらには米国への移転を含む抜本的な解決を図るよう強く求めるものです。
2003年3月21日
全国公害弁護団連絡会議第32回総会